【イベントレポート】町工場×ベンチャー　理想的な連携体制とは？製品化を実現するパートナーシップ術

革新的アイデアを持つベンチャー企業と、優れた加工技術を持つ町工場。両者のコラボレーションへの期待値は高いものの、取り組むには乗り越えるべきハードルが多くあるのも事実です。

そこで、今回のイベントは「町工場×ベンチャーの理想的な連携体制」をテーマに開催！フェーズの異なる2社のベンチャーと町工場の共創事例、大田区及び関係機関の支援メニュー紹介を通じて、理想的な連携体制について紐解いていきました。

生駒社長が語る。製品化を実現する戦略と成功の秘訣

第一部では株式会社ICOMA生駒さんが登場！『ICOMA TATAMEL BIKE』の誕生秘話や製品化までのお話を伺いました。

デスクの下にも収まるくらいコンパクトに変形する電動バイクが作れないか―。始まりはホワイトボードに描いたアイデアでした。

開発にあたっては、試作開発に強い株式会社テクノロジーリンクにサポートを依頼。製品化を見据えて、海外の企業よりも国内で柔軟且つ高い技術力でサポートしてくれる大田区の企業に依頼することを決めたそうです。

電動バイク『ICOMA TATAMEL BIKE』。現在量産を開始し、台数限定での販売を予定している。

ハードウェアスタートアップが直面している課題に触れつつ、それらの乗り越え方について生駒さん自身の体験を元に語っていただきました。

＜ICOMA流・困難の乗り越え方＞
①アジャイル開発可能な完全金型レス設計を実現！
金型レスを徹底することで初期コストを圧縮。町工場との乗り物製造を可能にする。
②設計レベルで現場と作りこむ
設計の段階からメーカー・試作工場・量産工場が垣根を越えて本質的な協業をすることで製品の質を上げていく。
③ユーザーと一緒に開発ストーリーを広げる
ユーザーの発信による「ものづくりのコンテンツ化」を行うことで小さなメーカーでも大きな話題になった。

ベンチャーと町工場のW登壇！起業家×工場 共創の価値

第二部は株式会社cosmobloom（以下、cosmobloom） の福永さん、株式会社桂川精螺製作所 の大嶌さんが登壇！cosmobloomの新製品開発にあたり実際に協業をしている２社から、その経緯や心掛けていることを伺いました。

Ｑ、（六郷BASE）協業のきっかけは？
Ａ、（cosmobloom）大田区の展示会で出会ったのが始まりです！

昨年２月に開催されたMeet New Solution in OTAに六郷BASEブースとして合同出展していたcosmobloom。航空宇宙の分野でもかなりのニッチ領域を手掛けているため来場者に興味を持ってもらえるのか不安だったとのこと。しかしそんな心配は無用でした。当日来場していた大嶌さんから声をかけられたそうです。そこから2社の協業が始まりました。

出会って半年にしてこの密度！ベンチャーの歩調に合わせてくれる桂川精螺さん、素晴らしい！

Q、ベンチャー×町工場　仕事をする上でのマインドセットは？
Ａ、お互いを尊重し、誠意を見せること。

ベンチャーと町工場では企業文化が異なるため、ちょっとした認識の掛け違いがトラブルの元となることもしばしば。そうならないためにも、お二人はそれぞれの立場で心掛けていたことがあったそうです。

大嶌さん「ベンチャーとお仕事をすると、自社の中だけでは生まれてこない新しい発想や技術に出会えるのが魅力です。常に勉強させてもらっているという気持ちで向き合っています。」

福永さん「桂川精螺さんのような老舗企業に比べるとベンチャーはあらゆるリソースが不足しています。しかしそこに甘んじているだけではいけないので、相談させていただく以上は自分たちにできることは全てやることを心掛けています。」

「ベンチャーからの依頼を受けた時、他の社員から反発ってある？」
「もっとやってほしい行政からのサポートはある？」
会場からはかなり具体的な質問も！お二人から丁寧にお答えいただきました。

２社の連携は始まったばかり。今後の展開が非常に楽しみです！

一挙紹介！町工場×ベンチャーを支える大田区の支援施策

大田区をはじめとする各団体から、ベンチャーと町工場の連携を支える様々な施策について紹介しました。

製造業関連事業者の操業場所としておすすめの工場アパート（大田区産業振興課）、互いに切磋琢磨できる製造業経営者のコミュニティ（大田工業連合会）、ベンチャーから大田区企業への発注を促進するユナイト助成事業（大田区産業振興協会）など、大田区ではハードウェアベンチャーにおすすめの施策を行っています。

操業場所の立地先や開発パートナーを探しているベンチャーは、ぜひ一度大田区へお越しください！

交流会も盛り上がりました

イベント終了後、登壇者を含めた交流会も行いました。
熱い話を聞いた直後だったので、会場は大盛り上がり！

参加いただいた方からは、
「大田区がこんなにベンチャー向けの施策をしていると知らなかった！」
「ICOMAさんのものづくり業界の課題を含めて製品化に挑戦する発信に、学びを得ました。」などの感想をいただきました。

登壇者＆参加者の皆様、ありがとうございました！

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